惨めな気持ちとはどんな気持ち?
惨めとは、見ていられないほどに悲しく、哀れで、いたましいさま のことです。
では、惨めな気持ちとはどういう気持ちかというと、何かと比べて、見ていられないほど悲しく哀れで、いたましく思う感情のことです。
能力や環境、容姿など、他人と比べて劣っていると思い、自分のことを『ダメなやつだ』などと否定してしまうと、惨めな気持ちになることがあります。
惨めな気持ちになる具体的な状況の例
では、惨めな気持ちになってしまう状況とは、具体的にはどういう状況なのでしょうか。
同じ状況でも、惨めな気持ちになるかならないかは人によって違いますが、惨めな気持ちになりやすい状況を具体的にあげてみます。
<恋愛・結婚・出産>
- クリスマスにひとりぼっち
- 早く結婚したいのに、ずっと独身で、友人の結婚式に行く時
- モテなくて恋人ができない
- フラれた
- 結婚生活がうまくいかない、周りはみんな幸せそう
- 不妊治療中、産婦人科で妊婦さんを見る
- 離婚
恋愛・結婚・出産に関して、幸せそうな人と自分を比べてしまい、惨めな気持ちになる状況は多そうです。
<身体の悩み・病気>
- 運動音痴
- 薄毛が気になる
- うつで気分が不安定
- 身長が低い
- コミュ障
身体に関する悩みや、病気も、他人と自分を比べてしまい、惨めな気持ちになる状況があるようです。
<お金・仕事>
- 職種や会社が底辺と感じる
- 非正規・派遣社員で働いている
- ニート
- フリーター
- 40代・50代での転職
お金や仕事に関することも、他人と自分を比べてしまい、惨めな気持ちになる状況があります。
<学校>
- 学歴が低い
- 通っている学校のランクが低い
- 勉強できない
- 不登校
- 留年した
- 浪人した
学校に関することも、他人と自分を比べてしまい、惨めな気持ちになってしまう状況があります。
<環境・状況・持ち物>
- 母子家庭など、家庭環境
- きょうだいが優秀
- 貧困で欲しいものが買えない
- 結婚したいのに独身
- 乗りたい車があるが、経済的な都合で軽自動車に乗っている
- マイホームが買えない
- 団地暮らし
自分の置かれている環境や状況、持ち物に関することも、他人と自分を比べてしまい、惨めな気持ちになってしまう状況があります。
惨めな気持ちになる意味は?
惨めな気持ちを含め、全ての感情には意味があり、目的があるという考え方があります。
例えば、怒りの感情の意味や目的はというと…
根本には、相手を自分の思い通りに動かしたいという欲求があり、そのために怒りの感情が出てくるという考え方があります。また、怒りの感情を出している人は、自分は正しい、相手は間違っているという捉え方をしていることもうかがえます。
では、惨めな気持ちになる意味や目的とは、なんなのでしょうか?
なぜ、惨めな気持ちが出てくるのでしょう。
その答えを探るために、石器時代まで時間をさかのぼってみましょう。
石器時代の私たちの先祖の人生には、危険がたくさんありました。
オオカミやサーベルタイガー、マンモス、食糧危機、悪天候など、命を落とす危険と隣り合わせだったのです。
生き残るためには、常に自分を傷つける恐れのある危険を予測し、避ける必要がありました。
また、私たちの先祖が、生き延びるために欠かせない要素がもう1つあります。
それは、集団に属することです。
部族から追い出されたら、オオカミにやられるのは時間の問題です。
集団から追い出されないために、他のメンバーと比べて自分はどうなのかを気にかけるようになります。
自分は集団の中でうまくやれているか、仲間に貢献できているか、他者に比べて劣っていないか、追い出されるようなことをしていないか…などなど。
これが、私たちの、「人より優れていたい」という根本的な欲求につながっているようです。
つまり、惨めな気持ちになる意味や目的は、「人より優れていたい、自分が上位に立ちたい、負けたくない」という気持ちがあり、そのために惨めさや劣等感が出てくると考えられます。
「今の立場をよくしたい」という思いは誰にでもあるので、誰もがある程度の劣等感を持っています。
もしも、劣等感を感じて惨めな気持ちや悔しい気持ちになることがなかったとしたら、向上心を持って努力し、成長するきっかけがなくなってしまうかもしれません。
ですので、惨めな気持ちになることで、
・自分の理想と現実の差を認識できる
・理想に近づくための原動力にすることができる
と捉えることができます。
惨めな気持ちをバネにして成功する人がいますが、このような人たちは、惨めな気持ちを原動力に、問題を克服した人たちです。
惨めな気持ちをバネに問題を克服しようと努力できる人がいる一方で、惨めな気持ちや劣等感を抱いていても、自信をなくしていて、現実的なやり方で状況を改善することができない人もいます。
自信をなくし、現実的なやり方で状況を改善することができない人たちの場合、問題や障害を克服するのではなく、本当の問題は棚上げして、活動の場を制限したり、別の方法で優越感を感じるよう行動したりします。
例えば、自信を失った子どもが、人を支配するには「涙」が一番効果があると思ったら、泣き虫になるというようなことです。
ですので、惨めな気持ちになることで、
・惨めな気持ちで居続け、誰かのせい、何かのせいにして、自分を正当化し、建設的な努力をすることから目をそむけることができる。
・かわいそうな人になって、周りから『かわいそう』と構ってもらうことで、自分の居場所を確保することができる。
と捉えることもできます。
惨めな気持ちになる人たちの中には、惨めさを周りに言わずにはいられない人もいます。解決することが目的ではなく、「私はこんなに惨めだ」と嘆くことが目的というような人です。
こういった人は、解決することが目的ではないので、親身になって一緒に解決策を考えたとしても、解決せずにいつも悩んでいるのが特徴です。
惨めな気持ちになることは悪いことではない
惨めな気持ちや劣等感があることで、努力したり成長することができると考えると、惨めな気持ちになることは悪いことではないと言えます。
ただし、過剰に自分を否定する思考にとらわれることは避けたほうが良いです。
惨めな気持ちを感じた後に、何を考え、どう行動するかが重要なようです。
では、惨めな気持ちを感じたら、どうすれば良いのでしょうか?
まず、惨めな気持ちはそのまま受け止めるのが良いようです。
惨めな気持ちに無理やりフタをしたり、見て見ぬ振りをすると、後になってもっと大変になることが多いようです。
惨めな気持ちをそのまま受け止めたときに、ネガティブな感情にとらわれて、「自分はダメだ」という思いから抜け出せない時の対処方法は、こちらの記事にまとめています。
みじめな気持ちから抜け出せない時には、ぜひ一度、こちらの記事の対処法を試してみることをオススメします。
この記事を書いている私自身が、実際に試して、とても効果を感じた方法です。
私たちは、長い間、惨めな気持ちや劣等感を感じ続けることはできないようです。
長い間、惨めな気持ちや劣等感を抱えていると、ストレスが溜まって、なんとかせずにはいられなくなるものらしいのです。
なんとかせずにはいられなくなった時、問題に向き合って、乗り越える努力ができるかが重要です。
問題に向き合って、乗り越える努力をするためには、まずは、自分が問題に向き合って乗り越える努力ができる土台を整えることが大切だと言えます。